2010年3月14日日曜日

書店の流れを楽しもう

今通っている、文章力講座の課題で、新聞記事を読んでコメント文を書くという宿題がありました。アップします。

 アマゾンや楽天ブックスで検索し、大手書店に備えているナビシステムで在庫と棚番を確かめ、中身を眺めて購入する。書店になければ帰宅してネットで発注する。これが、私と本との最近の関係である。ネット通販が普及し、書店の大型化が進むなか、もっとも効率的に目的の本を購入できる方法だと思う。しかし、この買い方を続けていると、コンベアから流れ込まれる本を流し作業で読んでいくような、無機質な関係に陥ってしまう。

 日本経済新聞3月6日夕刊のコーナー『お出かけナビ』に、本の品ぞろえや陳列に工夫をこしらえた書店が取り上げられた。そのうち、松岡正剛氏が主宰する編集工学研究所の縁で、丸善丸の内本店4階の「松丸本舗」を訪ねた。ところが、無機質な関係に慣れきっていた私は、本棚から押し寄せる情報の波に溺れてしまい、10分程度でコーナーを退出してしまった。松岡氏が読破した書籍をそれぞれのテーマにそって再編成したコーナーは、あたかも松岡氏の脳の中を探検するような感覚に陥る。後日、私は棚に書かれている松岡氏のコメントや、常駐している編集工学研究所のスタッフと話しあいながら、ゆっくりとコーナーが醸し出す雰囲気を味わっていった。すると、前回は見つけられなかった、私の未知なる領域を次々と見つけることができた。しばらくして、訪れる前には著者すら知らなかった本を数冊に興味を抱き、購入したのである。

 松丸本舗をはじめ、記事に紹介されたブックファースト新宿店や、京都の恵文社一乗寺店は、スタッフがテーマを設定して書籍を再編成し、それを顧客に提案している点で共通している。これらの店舗を訪ねるとき、彼らの提案を積極的に受け入れるゆとりを持つのが、私がすすめる楽しみ方である。気構える必要はない。彼らが作り上げた流れに乗って、クルージングを楽しむ感覚で書棚を眺めればよい。思わぬ発見ができればそれでよし、もし見つからなかったとしても、次の機会に楽しみを取っておけばよい。間違っても、無機質な関係を続けたまま見回ってはいけない。私のように、目的の本が見つからないことに慌てふためき、情報の波に押し出されるのがオチである。

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